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15*無力

病院へ到着すると既にセンターから連絡が入っていた

先生は「ヘルニアより悪かったね…」と複雑な表情で

「とにかく今はこの子が少しでも楽になるよう

飲めるギリギリの量の薬を2週間飲ませて様子をみましょう」と言った

もちろんステロイド薬の大量投与は怖い

でもそんなこと言ってる場合じゃない

eteの唯一の命綱

この薬だって効く子もいれば効かない子もいる

効いてくれることを願うしかない

他に方法はない

          *

栄養と水分補給の点滴と注射をしてお薬をもらう

この点滴で今日1日に必要な水分は補給出来ているので

無理に水分補給させなくても大丈夫だが

飲まず食わずが続くようなら明日も点滴に来るようにとの事

お薬は苦いので少量の砂糖と一緒に水で溶きスポイトで飲ませる

咽ずに流れ込み易い飲ませ方を看護師さんに教わった

何かあればすぐに連れて来て下さいと言われた

          *

帰宅後もeteは意識はあるがぐったりとしたまま

カーペットの上にトイレシートを敷きその場で用を足せるようにしたが

飲まず食わずなので出るものもなかった

伏せのような体勢をしたまま体はほとんど動かさず

床に顎をつけたままでたまに顔を少し動かすくらい

口元にお水やおやつを持って行っても欲しがらず

浅い息で眼だけは一生懸命私達を見ていた

          *

大きな変化のないまま夜を迎えた

「しんどいな 大丈夫大丈夫 頑張れ頑張れ」と声をかけ体をさする

eteは眠る事も出来ないようで

うつらうつらしたかと思えばまた眼を開ける

傍にいてやる事以外何が出来るのか自分でわからない

鳴く事も唸る事もなくただ不安で静かな長い夜を過ごした

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